開催報告:オペラ/音楽劇研究所2月研究例会

2/6(土)開催報告

*コメント: 海外からも含め29名の参加者があった。

▼2020年度2月研究例会(第193回オペラ研究会)

オペラ/音楽劇のキーワーズ

概 要
  • 日  時:2021年2月6日(土)16:30-17:30
  • 報 告 者  :井上 登喜子(お茶の水女子大学准教授)
  • 題  目:大正・昭和初期のオーケストラ演奏会と「オペラ抜粋曲」
  • 言  語:日本語
  • 司 会 者  :荻野 静男
  • 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
  • 概  要:オペラの序曲や抜粋曲の演奏は、近代以降の欧米諸都市において、多様な演奏会文化をつなぐ「共通文化」として機能してきた。日本でも大正期から昭和初期にかけて、「オペラ抜粋曲」は人気を博し、異なる音楽嗜好・演奏機会・ジャンルを跨いで受容された。その背景には、歌劇の流行、管弦楽団の興隆、アマチュア音楽活動の活発化、レコードと蓄音機の普及、音楽雑誌と楽譜出版の需給拡大という洋楽受容動向がある。本発表では、当時の学生オーケストラの演奏会を事例として、「オペラ抜粋曲」レパートリーの演奏に映し出される人々の音楽嗜好とその変遷を考察する。
    キーワーズ:オペラ抜粋曲/寄せ集め/コンサート/ビゼー《カルメン》/日本/大正期・昭和初期/学生オーケストラ
注 意

1.事前申し込みが必要です。参加希望者は2/3(水)までに以下のアドレス宛にメールで申し込みをお願いいたします。
reikaiuketsuke[at]gmail.com ( [at] = @)

➤件名欄に「2月例会」と記載し、本文にご氏名、所属、連絡先(メールアドレス)を記入してください。前日(2/5)にこの連絡先宛に招待メールをお送りします。

2.ご出席の際お名前の表示をお願いします。カメラをonにする必要はありません。発言時以外はミュートにしてください。

報告者プロフィール

井上 登喜子

お茶の水女子大学准教授(音楽学)。お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。博士(人文科学)。音楽文化とその受容の諸相について、近代の日本と欧米の演奏会文化や聴取文化を対象に、歴史的・実証的アプローチから研究している。主な研究にWestern classical music in a non-Western culture: The repertoires of Japanese professional orchestras in the twentieth century、「戦前日本におけるオーケストラの曲目選択に関する実証研究」、「19世紀ドイツと合唱:ひと・空間・民族をつなぐ合唱活動」、『「聴くこと」の革命:ベートーヴェン時代の耳は「交響曲」をどう聴いたか』(共訳)など。

 

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開催報告:オペラ/音楽劇研究所12月研究例会

12/5(土)開催報告

*コメント: 海外からも含め17名の参加者があった。

▼2020年度12月研究例会(第192回オペラ研究会)

オペラ/音楽劇のキーワーズ

概 要
  • 日  時: 12月5日(土)16:30-17:30[東京]
  • 報 告 者  : 北川 千香子(慶應義塾大学・准教授)
  • 題  目: サルヴァトーレ・シャリーノ:《ローエングリン》(1982)―「音響化された身体」のコンセプト
  • 言  語: 日本語
  • 司 会 者  : 佐藤 英
  • 開催方式:オンライン開催(Zoom使用)
  • 概  要: 最も重要な現代作曲家の一人であるサルヴァトーレ・シャリーノ(*1947)は、特殊な楽器奏法や歌唱法によって、ノイズ的なものに異化され、静寂との境界にまで切り詰められて様式化された、きわめて固有の音響世界を作り出してきた。彼のオペラ《ローエングリン》では、こうした特徴が際立っている。唯一の登場人物であるエルザの発する声は、もはや歌唱という枠を超え出て、例えば息づかいや喉を鳴らす音といった原初的な身体運動としてのそれであり、この人物像を不可思議な存在として現出させる。本発表では、2017年のザルツブルク・イースター音楽祭の演出(ミヒャエル・シュトゥルミンガー)を例に、上記の音響ドラマトゥルギーが上演空間の中でどのように具体化され、それがワーグナーの《ローエングリン》のエルザ像にはない新たな側面をいかなる形で提示しているかを明らかにする。
    キーワーズ:サルヴァトーレ・シャリーノ/リヒャルト・ワーグナー/声/静寂/身体性/演出/モノドラマ
注 意

1.事前申し込みが必要です。参加希望者は12/2(木)までに以下のアドレス宛にメールで申し込みをお願いいたします。
reikaiuketsuke[at]gmail.com ( [at] = @)

➤件名欄に「12月例会」と記載し、本文にご氏名、所属、連絡先(メールアドレス)を記入してください。当日(12/5)の14:00にこの連絡先宛に招待メールをお送りします

2.発表開始前にビデオ機能で本人確認をさせていただきます。

報告者プロフィール

北川 千香子

慶應義塾大学准教授。ドイツ学術交流会の給付留学生としてベルリン自由大学にて演劇学を専攻、2013年に同大学で博士論文『クンドリー試論 象徴の諸断面』(Peter Lang, 2015)によってPhD.取得(演劇学)。専門はワーグナーの楽劇ならびにオペラ演出。近年は、ワーグナーから現代に至るオペラ/音楽劇における沈黙や静寂の諸相に重点を置いた研究をおこなっている。

 

 

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開催報告:オペラ/音楽劇研究所11月研究例会

11/7 開催報告

*コメント: 海外からも含め25名の参加者があり、前回同様舞踊関係の研究者が多いように思われた。発表後の質疑応答では活発な情報交換が行われた。

▼2020年度11月研究例会(第191回オペラ研究会)

オペラ/音楽劇のキーワーズ

概 要
  • 日  時: 11月7日(土)16:30-17:30 [東京]
  • 報 告 者  : 山田 小夜歌(日本女子大学家政学部児童学科助教)
  • 題  目: G.V.ローシーの来歴にみる大正期帝劇の舞踊・音楽劇と世紀転換期西欧のバレエ
  • 言  語: 日本語
  • 司 会 者  : 中村 良
  • 開催方式:オンライン開催(ZOOM使用)
  • 概  要: 大正期日本の帝国劇場では西洋由来の舞踊や音楽劇が多数上演された。演目の中には以前に西欧の劇場やヴァラエティ劇場で上演されたバレエを改作・翻案したと思われる作品も含まれ、帝劇歌劇部の教師として招聘されたイタリア人舞踊家ジョヴァンニ・ヴィットリオ・ローシーの影響が色濃く窺える。本発表では、ローシー来日以前の西欧における上演活動を明らかにすることを通して、彼が関わった帝劇の興行や作品について考察する。
    キーワード:ジョヴァンニ・ヴィットリオ・ローシー/帝国劇場/ヴァラエティ劇場/英国ロンドン/イタリア/ミラノ・スカラ座
注 意

1.事前申し込みが必要です。参加希望者は11/4(水)までに以下のアドレス宛にメールで申し込みをお願いいたします。
reikaiuketsuke[at]gmail.com ( [at] = @)

➤件名欄に「11月例会」と記載し、本文にご氏名、所属、連絡先(メールアドレス)を記入してください。当日(11/7)の14:00にこの連絡先宛に招待メールをお送りします。

2.発表開始前にビデオ機能で本人確認をさせていただきます。

報告者プロフィール

山田 小夜歌

昭和音楽大学卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科(表象芸術論領域)単位取得退学。博士(学術)。現在、日本女子大学助教。早稲田大学オペラ/音楽劇研究所招聘研究員。専門は舞踊学。とくに日本および欧米の舞踊史とその比較研究。論文「舞踊家G.V.ローシーとローシー・オペラ・コミック:赤坂ローヤル館での試行錯誤」(2020)、「世紀転換期ロンドンのヴァラエテイ劇場におけるバレエ」(2017)など

 

 

 

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開催報告:オペラ/音楽劇研究所10月研究例会

10/3 開催報告

*コメント:
25名の参加者があり、舞踊関係の研究者が多いように思われた。発表後の質疑応答では活発な議論が展開され、報告とあわせて実り多い例会となった。

▼2020年度10月研究例会(第190回オペラ研究会)

オペラ/音楽劇のキーワーズ

概 要
  • 日  時: 10月3日(土)16:30-17:30 [東京]
  • 報 告 者  : 杉山 千鶴
  • 題  目: 浅草オペラにおける舞踊とモダンダンスのパイオニアたち
  • 言  語: 日本語
  • 司 会 者  : 柳下 惠美
  • 開催方式:オンライン開催(ZOOM使用)
  • 概  要: 近代日本洋舞史において、浅草オペラは日本モダンダンスの前史に相当すること、そしてモダンダンスに連なる系譜と浅草軽演劇に連なる系譜が作られているという意義を持つ。本発表は、この浅草オペラで上演された舞踊について概観し、そして特に日本のモダンダンスのパイオニアとなった石井漠、高田雅夫・原せい子の作品について検討する。
    キーワード:浅草オペラ/舞踊/オペラ女優/石井漠/高田雅夫/原せい子
注 意

1.事前申し込みが必要です。参加希望者は9/30(水)までに以下のアドレス宛にメールで申し込みをお願いいたします。
operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ( [at] = @)

➤件名欄に10月例会」と記載し、本文にご氏名、所属、連絡先(メールアドレス)を記入してください。当日(10/3)の14:00にこの連絡先宛に招待メールをお送りします。

2.発表開始前にビデオ機能で本人確認をさせていただきます。

報告者プロフィール

杉山 千鶴
早稲田大学教授。1983~2008年 藤井公・利子主宰 東京創作舞踊団の活動に参加。編著に『浅草オペラ 舞台芸術と娯楽の近代』(2017年、森話社)、『近代日本の身体表象』(2013年、森話社)、共著に『日本人のからだ・再考』(2012年、明和出版)他がある。

 

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開催報告:オペラ/音楽劇研究所 7月研究例会

7/18 開催報告

*コメント:21名の参加者があり、テルアビブ大学ミハル・グローバー=フリードランダー教授(イスラエル)、メイノース大学クリストファー・モリス教授(アイルランド)、フリードリヒ・アレクサンダー大学(エアランゲン/ニュルンベルク)クレメンス・リジ教授(ドイツ)を交えて「宝塚とワーグナー」というテーマに関し活発な討論を行った。

ミハル・グローバー=フリードランダー教授(テルアビブ大学)

▼2020年度7月研究例会(第189回オペラ研究会)

オペラ/音楽劇のキーワーズ

概 要
  • 日  時: 7月18日(土)16:30-17:30 [東京]
  • 報 告 者 : マコークル,ブルック
  • 題  目: 宝塚とワーグナー
  • 言  語: 英語
  • 司 会 者 : 大野はな恵
  • 概  要: このプレゼンテーションは宝塚歌劇のワーグナーのオペラの改作の歴史を、1968年の《トリスタンとイゾルデ》の制作に焦点を当てて考察する。キーワード:宝塚歌劇/リヒャルト・ワーグナー/トリスタンとイゾルデ/志吹真帆/ジェンダー
  • 開催方式:【動画配信(録画)】および【オンライン例会(リアルタイム)】

【動画配信(録画)】 発表者の個人チャンネルにて動画配信されます(7月4日配信予定)。
オンライン例会参加希望者は以下のURLにて事前にご視聴ください。
URL:  https://youtu.be/aNh47lhU14U

【オンライン例会(リアルタイム)】 7月18日(土)16:30-17:30 質疑応答

注 意

1.オンライン例会参加希望者は7月10日(金)までに以下のアドレス宛にメールでお申し込みください。質疑応答に使用する発表者宛のご質問も事前に本アドレス宛に送ることができます。
operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ( [at] = @)

➤件名欄に「7月例会」と記載し、本文にご氏名、所属、連絡先(メールアドレス)を記入してください。当日(7/18)の14:00にこの連絡先宛に招待メールをお送りします。なお、発表開始前にビデオ機能で本人確認をさせていただきます。

2.オンライン例会は都合により中止となる場合があります(申込み者には別途連絡)。

報告者プロフィール

マコークル,ブルック
2015年にペンシルベニア大学を卒業。博士号(音楽学)および修士号(東アジア研究)を取得。専門は日本におけるオペラ、日本映画音楽、ジェンダー研究。カールトン大学助教授(2019-現在)、バーモント大学助教授(2018-2019)、国際交流基金フェロー(2019年9月-2020年8月)。オペラや映画音楽に関する論文多数。

 

 

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開催報告:オペラ/音楽劇研究所 6月研究例会

▼2020年度6月研究例会(第188回オペラ研究会)

オペラ/音楽劇のキーワーズ

概 要
  • 日  時: 6月20日(土)16:30-18:30
  • 開催方式 : オンライン開催 ※オペラ/音楽劇研究所所員・招聘研究員およびオペラ研究会員限定での開催(Zoom使用)
  • 報告者1:柳下 惠美
  • 題 目 :イザドラ・ダンカンとリヒャルト・ヴァーグナー
  • 言 語 :日本語
  • 概 要 :
    ドイツにおけるイザドラ・ダンカンの活動とイザドラに対するリヒャルト・ヴァーグナーの影響について検討する。
    キーワーズ:イザドラ・ダンカン/ドイツ/未来の舞踊/リヒャルト・ヴァーグナー/未来の芸術作品/芸術/自然/イゾルデの死。

報告者プロフィール :

早稲田大学准教授。2015年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。2013年から2015年まで日本学術振興会特別研究員、2015年4月から早稲田大学助手、2016年から早稲田大学助教、講師を経て現職。

 

 

  ◆司会者: 中村 良

    *参加者26名


  • 報告者2: 佐藤 英
  • 題 目 : ナチス・ドイツ時代のバイロイト音楽祭のラジオ放送
  • 言 語 : 日本語
  • 概 要 :
    ナチス・ドイツ時代に行われたバイロイト音楽祭のラジオ放送について、番組の企画・構成・実績・影響等を分析しながら、その意味を考察する。
    キーワーズ:ナチス/バイロイト音楽祭/リヒャルト・ワーグナー/ラジオ番組/プロパガンダ。
  • 報告者プロフィール:
    日本大学法学部准教授、早稲田大学オペラ/音楽劇研究所招聘研究員。博士(文学)。専門:ドイツ近現代文化研究(音楽・文学)。共著『キーワードで読むオペラ/音楽劇研究ハンドブック』(2017)、論文「ドイツのラジオ放送における音楽番組への第二次世界大戦勃発の影響」(2019)、共訳『第三帝国のオーケストラ―ベルリン・フィルとナチスの影』(2009)など。
  • 司会者: 荻野 静男

     *参加者24名

早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所
e-mail address: operaken-uketsuke[at]list.waseda.jp ( [at] = @)

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